2025年5月29日木曜日
私はよくならないから
母の病室を訪れた。
看護師が、母の口腔をきれいにするための、スポンジのついた棒を買ってくるように言った。
私は病院の売店でそれを買った。
私は母の名を書くための油性ペンを持ってくるのを忘れた。
帰りにペンを買って、家てテプラで母の名前をつけた。
母は、「帰りなさい。きょうはだいじょうぶだから」と何度も言っていた。
気にしないで。私はよくはならないから。
来なくていいから。などなど。
母の声は明瞭ではない。
私はもう何も感じない。
病院は毎日毎日母の病室を変えるのをやめるべきだ。
母の病室はいつもちらかっていて、職員は母のものをなくしている。
私がそこに住んでいたら、私はそこの病院には入院しない。
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