The cat once I lived with

定本こっそり日記

2025年2月13日木曜日

増幅されていない、生の音楽


そのホールは木でできていた。
もちろん躯体は鉄筋コンクリートだ。
共鳴のためのホールの内装はほとんどが木でできていた。
見た目にも美しい。

ソロを弾いていた人はすばらしかった。
彼が手をピアノに置くと、突然ピアノが歌い出すのだ。
音はたくさんの小さな柔らかい球体みたいだった。
聴衆は彼がそれに応えて小品を演奏するまで、決して拍手を止めなかった。
この文の英語の時制がなんかおかしいけれど、直せない。

私は、私がこれまで音楽だと思っていたものとは……という感じだった。
私は西洋音楽について何も知らなかった気がした。
交響曲はコンサートホールで演奏されるとほんとうによい。

その交響曲は演奏するにはいささか長く、私は音楽に関係のないことをあれこれ思っていた。
それこそが音楽が脳に対して影響していることなのではという考えを得た。
オーケストラは大きな街みたいだった。
各パートがそれぞれの色彩を有している。
ホールの規模は1600席かそのくらいだった。

聴衆の中にはほんとうに歳をとっている人たちが含まれていて、その人たちが日本の文化活動を支えていて、本当に富裕なのだ。
私はホールの入口でたくさんの演奏会のちらしを渡された。
もし、マタイ受難曲が曲目にあったら券を買うだろう。
私はバッハをコンサートホールで聴くべきだ、それは私が彼の音楽を好きだからだ。

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