2024年1月24日水曜日
Apple Music Classical
クラシックに特化したApple Musicの新しいアプリ、Apple Music Classicalを使ってみている。
もともとあるApple Musicのアプリからクラシックだけが分離したというわけではないようだ。
ポピュラー音楽と違い、クラシックは1曲についての情報が多い。
Apple Music Classicalでは、アルバムやプレイリスト内での曲表示に工夫がしてある。
従来のApple Musicだと、クラシックの曲は2行で表示するのがつらかったと思う。
Apple Music Classicalでは1曲のスペースが多めにとってあり、まず曲名が太ゴシックで書いてあり、その下に演奏者の情報が小さな字で書いてある。
自動で文字が横スクロールされないので読みやすい。
今私はこのアプリでラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を1972年にアシュケナージがプレヴィン指揮のロンドン交響楽団と演奏したものを、ためしに聴いてみている。
作曲家を選べて、さらにその作品が選べ、その中から演奏が選べる。
この曲の場合だと、演奏は新旧の315アルバムから選べるようになっている。
圧巻だ。
デジタルなのだからこうでなくては。
ひとりの作曲家にフォーカスして聴きこむこともできるだろう。
曲目に関する解説もたっぷり書いてあり、読み応えがある。
次に私は、バッハのマタイ受難曲を聴こうとしている。
作曲家リストの一番上にバッハがいる。
タップするとすべての作品1,215件かすべてのアルバムのリストにアクセスできる。
作品リストには検索ボックスがあり、「マタイ」で検索するとBWVの異なる3つのマタイ受難曲があった。
びっくりした。
一番録音の多いマタイ受難曲を選ぶと、310本のレコーディングが揃っている。
私は、カール・リヒターの決まった年代の録音でしかマタイ受難曲は聴かないのだが、こんなにたくさん選択肢があるなら他ももっと聴きたい。
一つしか知らずにそれしか聴かないのと、よそのたくさんの演奏も聴いたうえで一つを選ぶのとではずいぶん違うからだ。
サイトウ・キネンの演奏もあるだろうか、探してみよう。
あった。
サイトウではヒットせず、小澤でヒットした。
1997年のサイトウ・キネン・フェスティバルにおける実況録音で、テレビでも放送されたので、私がマタイ受難曲に出会うきっかけとなったものだ。
ああ!うれしいなあ。
何度ビデオテープを再生したかわからないこの演奏だ。
こういうアプリがあるとあるべき未来が来たという気がする。
もしかするとクラシックファンはすでにこうしたサービスを知っていてとっくに使っているのかもしれない。
私のような軽いリスナーにとっては、Apple Musicがこれをリリースしたことに意義がある。
間口がとても広いからだ。